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中学卒業後、どのような進路に進むかは、お子さんの人生に大きな影響を与えます。親御さんができるサポートについて紹介しますので、進路で悩むお子さんをお持ちの方は参考にしてください。
中学卒業後の進路に悩んでいるお子さんは多くいらっしゃいます。中学生が皆、将来の目標を持っているわけではありません。「偏差値から考えて妥当だから」「友だちと同じ進路に進みたいから」「大学受験に有利だから」といった理由で進路を決めようとしているお子さんもいらっしゃるでしょう。
はっきりと将来の目標を抱いていたとしても、10代のうちに目標が変わることは十分ありえます。目標を持っているように見えるお子さんも、もしかしたらやりたいことがほかにあるかもしれません。忙しい毎日を送られているなかでも、一度立ち止まってお子さんとの対話の機会をつくることをオススメします。
中学を卒業したあとの進路先は、高校進学と就職の大きく2つに分かれます。どちらが「良い」「悪い」というものではありません。それぞれの特徴を紹介しますので、進路を決めるときの参考にしてください。
中学卒業後、高校に進学するお子さんが多数派です。文部科学省による学校基本調査(2021年度)(※)では、中学から高校への進学率は98.9%であると発表されています。高校は義務教育ではありませんが、いわゆる「高校無償化」の制度を国が開始していることからも、中学卒業後の一般的な進路先は、高校への進学だといえるでしょう。
同じ「高校」であっても、国立・公立・私立や普通科・専門学科・総合学科など、さまざまな種類があります。それぞれの特徴や校風を十分に調べて、進学先を選ぶとよいでしょう。
中学を卒業したあと、高校へ進学しない場合は就職するということが考えられます。ご家庭の事情やお子さんが勉強を続ける意思がないなど、いろいろな理由があるでしょう。社会に出るのが早いことが不利になると一概にはいえませんし、中卒で成功されている方もたくさんいらっしゃいます。また、すぐに高校に進学しなかったとしても、高校に進学し直すことや高卒認定試験をとって大学進学を目指すことは可能です。
しかし、一般的には中卒で選べる就職先が少ないことや統計的には生涯年収が低いことは知っておきましょう。とくに中卒と大卒では、大きく差が出ます。労働政策研究・研修機構による「ユースフル労働統計2021」によると、男性の生涯年収は中卒2億円、高卒2億1千万円に対し、大学・大学院卒は2億7千万円。女性の場合は中卒1億5千万円、高卒1億5千万円に対し、大学・大学院卒2億2千万円です(※)。お子さんの人生設計にも大きく関わってきますので、中学卒業後の進路は慎重に検討することをオススメします。
とりあえず高校へ進学することを決めたとしても、悩みは尽きません。どこの高校に進学したらよいのか迷うこともあるでしょう。進学する高校を決めるときの参考として、学科と大学への進学の2つの基準を紹介します。
高校の学科は、大きく分けて「普通科」「専門学科」「総合学科」の3つです。普通科では、国語・数学・理科・地理歴史・英語のほか、体育や芸術などを履修します。進級すると文系・理系に分かれるなど、大学進学に向けて勉強していくため、大学に進学することを決めているお子さんは普通科への進学が選択肢の一つとなるでしょう。
専門学科は、特定の分野の専門的な知識や技術を学ぶ学科です。農業系・工業系・商業系・看護系・音楽系・美術系など、さまざまな種類があります。専門学科に進学することで、お子さんの得意分野を活かしたり将来の目標を実現させたりすることに繋がるでしょう。
総合学科は、普通科と専門学科を総合した学科で、1994年に導入されました。多くの高校で採用されている「学年制」ではなく、必要な単位を履修すると卒業できる「単位制」が一般的です。普通科目と専門科目の両方を学ぶことができ、幅広い選択科目のなかから自分で時間割をつくることができます。
各学科の特徴や校風は異なりますので、資料を請求したり学校を見学したりして、しっかりと調べるようにしましょう。
大学への進学に強いかどうかも、高校を決めるときの基準の一つです。行きたい大学に多くの卒業生が合格している高校や、エスカレーター式で受験せずに大学に進学できる高校もあります。高校卒業後に先輩たちと似たような進路に進んだ方が、学校や先生にもノウハウが蓄積されており、サポートを受けやすいでしょう。高校に進学したあと、大学受験を考えているご家庭では、各高校の進学実績をチェックするようにしてください。
お子さんが進路選びに悩む原因の一つが、「情報を知らないこと」です。流行などの情報には敏感だったとしても、進路や人生設計に関してはまだまだ視野が狭いもの。親御さんには、情報や選択肢を与えるという大事な役割があります。
情報がないままに何かを決めようとしても、決められるものではありません。この記事で紹介した情報を伝えるのも一つですし、進路について一緒に話す機会を設けたり学校説明会に参加したりしてみることも一つ。受験についてお子さんとコミュニケーションを取り、情報を与えることが大切です。
どんな目標や進路も選ぶことができて、進路先の種類が多すぎて選べないということもあります。そんなときは選択肢を与えることで、お子さんの得意分野や価値観を知ることが可能です。「どれがいい?」と聞かれるよりも「AとBのどちらがいい?」と聞かれた方が答えやすいもの。お子さんの答えと理由をしっかり把握して、進学先についてさらに調べるのか選択肢をほかに用意するのか検討するようにしましょう。
最終的に進路を決めるのは、親御さんではなくお子さんです。お子さん自身が納得して決めていなければ、目標に向かって努力することは困難です。親御さんは、お子さんが自分で決められるよう、情報や選択肢を与え、一緒に調べたり話し合ったりすることでサポートするとよいでしょう。
引用元:馬渕教室
http://kouju.mabuchi.co.jp/index.html
引用元:Z会の通信教育
https://www.zkai.co.jp/jr/
※価格は、2021年10月の情報です。