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高校受験で公立高校が第一志望の場合、私立高校の併願入試を受けることが一般的です。併願校はどのようにして決めればよいのでしょうか。ここでは、併願の説明や併願と専願の違い、併願のメリット・デメリット、入試の日程や内容などについて紹介しています。
「併願」とは、私立高校を受験して合格しても公立高校の結果を待ってから進学するかどうか決めることができる受験方法のことです。公立高校を第一志望としている場合、私立高校を受験する際は併願で受験することになります。
複数の学校に出願することが可能で、公立高校が不合格だったときの保険としての受験となります。以前は「滑り止め」と呼ばれることも多かったですが、昨今では併願校と呼ぶ方がポピュラーです。
併願校を決める時期については、仮の内申点が出る11月頃が一つのタイミングです。その頃には三者面談があるため、実力テストや内申点などを参考にして、どの併願校にするのかを先生・保護者・生徒でよく話し合いましょう。
第一志望の私立高校のみしか受験しない場合を「専願」と言います。その私立高校に合格したら必ず入学すると約束して受験するもので、合格した場合は他の高校は受験できません。私立高校を第一志望とする場合、基本的に専願入試で受験します。
専願入試のメリットは、入学が確約される代わりに選抜過程においては一定の点数が加算されるなどの優遇措置をしてもらえること。そのため、合格率は併願と比べて高くなります。また、専願入試は推薦入試と同じく、一般入試よりも入試の時期が早いため、いち早く進路を決定することができます。早めに入試のプレッシャーから解放され、高校入学に向けて準備を始められるのはメリットの一つと言えるでしょう。
併願入試で私立高校に合格すれば、第一志望の公立高校の入試に臨む際のプレッシャーを軽くすることができます。万が一、公立高校に不合格になったとしても行く高校があるという事実は安心感につながります。余計なことを考えず、第一志望へ向けて勉強に集中できるでしょう。
また、受験会場の雰囲気を一度体験できるというのもメリットです。一度体験することで入試独特の緊張感にも慣れ、落ち着いて第一志望校の入試に臨むことができます。
デメリットはお金がかかるという点です。大阪府の私立高校では公立高校の合格発表までは手続きおよび納入金は必要ないという学校がほとんどですが、受験料は必要です。2万円前後の高校が多く、複数校受験すればかなりの金額になってしまいます。
また、私立高校は公立高校と入試問題が異なるため、学校別の対策が必要となります。学校によっては面接の練習も必要となり、労力が増えるという点もデメリットと言えるでしょう。
大阪府の私立高校の入試は、2月前半からはじまります。2022年度では2月10日から実施される予定です。出願期間や合格発表日は高校によって異なりますので、注意しておきましょう。
近隣府県の私立高校を受験することももちろんできますが、京都府や兵庫県の入試日は大阪府と同じ日程となっているので複数の高校を受験するのは難しそうです。
私立高校の併願入試では、国語・英語・数学の3教科あるいは国語・英語・数学・理科・社会の5教科の学力試験を実施する高校が多いです。中には、受験教科を選択できる高校や4教科の学力試験を行う高校、面接や作文、実技検査を行う高校もあります。
合否の判定は主に学力試験と内申書を選抜資料としますが、基本的には当日の試験の得点で合否が判定されます。教科の入試でしっかり得点できる力を蓄えておくこと、入試で実力を出し切る準備をしておくことが大切です。
私立高校の中には、私立高校入試の合格発表の後で公立高校の入試前(2月中旬ごろ)に「1.5次入試」と呼ばれる追加試験を行う学校もあります。特に大阪府では1.5次入試を行う高校が比較的多く、2021年度では69校が実施しています。若干名の募集人員というケースがほとんどですが、1.5次入試で合格できれば安心して公立高校の入試に臨めるでしょう。
「2次入試」というのは、公立高校の一般選別の合格発表の後に私立高校の一部で行われる追加入試のこと。もし、公立高校の入試でも思うような結果が得られなかったときは、私立高校の2次入試を受験することになります。
併願校の入試で万が一不合格になってしまった場合、子どもはショックを受け、気持ちが不安定になったり自信をなくしてしまったりするでしょう。保護者は子どもと一緒にショックを受けるのではなく、まずは子どもの気持ちを落ち着いて受け止め、十分に心のケアをしてあげましょう。そして、第一志望の公立高校入試に自信を持って臨めるよう、気持ちを切り替えるためのサポートをしてあげることが大切です。
入試に臨む子どもの持ち物の確認や、アクセス方法の確認についてサポートしてあげましょう。持ち物については、受験票や筆記用具の確認はもちろんですが、上履きが必要なら前日に学校から持ち帰るなどの準備が必要です。アクセス方法については、事前に地図をプリントしておくなど、当日子どもが不安にならないように手助けしてあげてください。学校の場所が分からずに不安そうにしているのなら、入試前に一度高校まで一緒に行ってみるのもよいでしょう。
子どもが落ち着いて入試を受けられるよう、試験以外の心配事は解消してあげましょう。このときばかりは少し過保護になってもよいので、十分にサポートしてあげると子どもは安心して入試に臨めるでしょう。
もし私立高校に通うことになった場合は、公立高校よりもお金がかかります。併願校に合格したけどお金がなくて通えない…なんてことがないよう、授業料を確認し、支払える学校を選ぶようにしましょう。また、収入額によっては支援金制度もあるため、事前に確認しておくと安心です。
併願入試は、公立高校の入試よりも早い日程で行われ、公立校の入試日以前に合否が分かります。私立高校に不合格だった場合、公立高校に確実に合格するために、第一志望を諦め合格できそうな高校に変更せざるを得ない場合も出てきます。第一志望の公立高校にチャレンジできるよう、合格できる可能性が高い併願高校を選ぶようにしましょう。
とは言え、公立高校に落ちると通う可能性もある高校です。校風や大学進学率などをしっかりチェックして、通いたい・通っても良いと思える高校を選ぶことが大切です。
引用元:馬渕教室
http://kouju.mabuchi.co.jp/index.html
引用元:Z会の通信教育
https://www.zkai.co.jp/jr/
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